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何のことはない、手を打たなければ支出総額は128.2兆円に膨らんでしまうところを、5年間で最大魁・3兆円(128.2兆円1113.9兆円)、最小n.4兆円(128.2兆円1116.8兆円)の歳出削減をしようというプランだったのです。
安倍政権が描いた上げ潮路線は、福田政権になり、様々な予測について多少の下方修正がなされましたが、「理想と現実のギャップがいつ深刻になるのか」は、時間の問題でした。
それがついに肥年の夏にやってきたわけです。
さて、ここからが本題です。
内閣府は7月加日、肥年度の名目GDPの成長率の予測の予測も2.1%から1.3%に引き下げました。
サブプライム問題や原油高など、海外からの「要因」を成長率試算引き下げの根拠にしています。
「他人(外国の事情)のせいで成長できない」という姿勢は、「何があっても上昇トレンドは変わらない」プライマリーバランス回復の実質放棄宣言は近い肥年の7月躯日、財政諮問会議は、n年度の国と地方の財政プライマリーバランス回復への見通しについて、最大7.9兆円、最少でも3.9兆円のマイナスになることを認めました。
つまり、プライマリーバランス黒字化の公約はこのままではウソになると宣言したに等しいのです。
それにもかかわらず、マスコミからはほとんど追及されませんでした。
この期に及んで、プライマリーバランスを回復するために4兆円もの予想幅が出きれという上げ潮のイメージからはほど遠いものになりました。
0.3%という低成長では、増大する福祉予算など歳出圧力を支える財政力は生まれません。
政府が描いてきた名目3%の成長目標の3分の1のレベルです。
これによって、上げ潮路線は、楽観論に基づく「上げ底」路線で、看板倒れとなることが露呈してしまいました。
問題は肥年度の成長率だけの話ではありません。
n年度の財政のプライマリーバランスの回復も実は、もうすでに絵空事に近くなっているのです。
また、年金や福祉、医療、地方対策など様々な歳出圧力が強まるなかで、政府の歳出はほんとうに抑制できるのでしょうか(マスコミはこれを「n.4兆円も削減するのか」と書くので話が余計わからなくなります)。
るという試算には、驚くほかありません。
どうしてこうなったのでしょうか。
まずu年度のプライマリーバランスが7.9兆円のマイナスというのは、n年度の名目成長率が1%半ばにとどまるというマクロ経済の「リスクシナリオ(悲観的予測)」が前提で、2011年度の歳出削減額が2年度比で、2・4兆円(これこそ先に示したu・4兆円です)で精一杯という、まずい財政運営が重なった場合の「最悪のケース」における試算なのです(後で述べますが、政府の最善シナリオでもプライマリーバランスの赤字は解消できません)。
私から見れば、高齢化や人口減少で潜在成長力が落ちてゆく日本経済の姿から見て、名目成長率が1%半ばという前提自体が「楽観シナリオ」です。
政府はそれを「悲観シナリオ」と見ており、理解に苦しみます。
今年度の名目成長率が0.3%に過ぎないとすると、3年先のそれを1%半ばに想定することは、悲観ではなく、楽観そのものでし先に述べたように、2・4兆円の「削減幅」は、高齢化など、冊年度から向こう5年間に膨らんでゆくと試算した歳出の増加を抑えることが主眼なので、冊年度と比較してまるまる歳出が2兆円余り減らせるわけではありません。
つまり、目標自体は、私から見れば大甘です。
要するに、今よりもっとシビアで地道な歳出削減の徹底が必要なのです。
後期高齢者医療制度の導入ですら大幅な反発が出て見直されたわけですから、歳出削減は至難の業です。
そうしたなか、社会保障費の「自然増分」(何もしなければ増え続ける部分)をW年から「毎、年2200億円だけ削減する」という約束ごとも、福田政権下では、来年度予算から反故にされそうな雲行きです。
それでも、国はもっと楽観的なケースの試算(マイナスが3.9兆円だけで済むケース)も提示しています。
ただ、名目成長率がu年度に何と3%以上に跳ね上がるというマクロ経済の「大幅成長シナリオ」をプライマリーバランス回復の根拠にしているので、実現は厳しいでしょう。
その楽観的な両者の条件(名目成長率3%以上、腔・3兆円の歳出削減)が重なった場合ですらも、プライマリーバランスは3.9兆円の赤字が避けられないと政府は振り返れば、この数年間の景気回復は、円安と米国市場、BRICS市場の成長に支えられて「外需依存型」でやってきました。
それがサブプライム問題を発端とした原油高、資源高、食糧高による世界不況により、今や「上げ潮」の前提は総崩れに近い状況になりました。
経済が成長しない(上げ潮しない)と、赤字を埋めるために不可欠な税収が伸びないので、その分、財政を再建しようとするなら、歳出を一段と削減しなければなりません。
年長者ら既得権者は歳出カットを嫌いますが、増税も嫌なのです。
最後は問題の先送りです。
歳出カットもイヤ、構造改革もイヤ、増税もイヤとなると、あとに残されたメニューはインフレか国家破綻しかないのですが。
そうしたなか、世界不況の到来に加えて、この夏は、数年来の景気回復が終馬したため、「景気対策」を求める声が強まっています。
例えば、漁業者への燃料費補償、公共事業の削減継続反対、医療費抑制反対など、明示しています。
与野党とも人気取りのバラマキ政策をどんどん打ち出してくるでしょう。
経済界も「長期景気の終罵を受けた景気の下ぶれ対策」を求め、歳出カットに慎重になり、反対に景気対策を求める気配が濃厚です。
繰り返しますが、大胆な増税をせずに「上げ潮路線」で財政再建するには、官僚の力の源泉である特別会計にメスを入れて「埋蔵金」を掘り出すだけでなく、税収を劇的に増やすほかはなく、税収増には名目GDPを膨らませることが欠かせません。
では、「大甘」だったはずの歳出削減目標に向けた努力はどうなっているでしょうか。
福田政権は、消費税引き上げができないので、的年度からの年金財政建て直し(基礎年金部分の国庫負担増)にすら着手できない状態です。
消費税なしに国庫負担を増やすには、あと2.3兆円も必要です。
「上げ潮」も「増税」も実現しないなら、国庫負担の追加はせずに、年金制度の崩壊に拍車をかけるだけです。
こうして見ると、年金崩壊、財政破綻に至るほうの「上げ潮」は危険水位に向けていよいよ満ちて来たといえるでしょう。
的年度予算の編成が始まる佃年秋は、来年の総選挙もにらみ各界から「もっとくれ。
もっと」と財政出動を求める声が満ちてくる潮目ともいえます。
これこそ、「上げ潮」で改革を緩くしたツケなのです。
政府が描く超楽観シナリオを重ねてもプライマリーバランスの回復は無理となれば、あとは人気者の麻生太郎・自民党幹事長の「景気対策優先」発言と、各界から出てくる「景気失速を回避するための緊急避難対策」を口実として、プライマリーバランス回復目標が、一時的に棚上げされるしかないのです。
もし、「棚上げ」や「延期」に逃げ込めば、事実上の目標撤回(放棄)です。
上げ潮政策はふもともと具体的な成長政策の提示に乏しく、世界経済の成長と軌道を合わせて日本経済も成長を果たそうという面がありました。
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